ジャジー船長と海図の国

大航海時代Onlineプレイ日記

カテゴリ:その他 > 絵本

日が落ちる一瞬を見つめる凛とした横顔。

その瞳が燃えるような輝きを放つのは、
夕陽のせいだけではない。

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その隣に立つ騎士は銀色の甲冑を身に着け、
凛々しく立ってはいるが、
どこか華奢な雰囲気を纏っている。

エメラルドでボンメルが飾られたファルシオンを
しっかりと握り締め、動揺を抑えて言う。

「では、どうしても…と?」

騎士が発したのは、
風を感じさせるような涼やかな女性の声だった。

「ああ。行かねばなるまい。」

鈍く光る鎧を身に着けた男は、やや低く柔らかい声で答えた。


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「王のご命令だからと言っても、王のご本心は・・・」

その言葉を遮るように男は言った。

「王のためだけではないのだ。」

重くきっぱりとした口調だ。

「王のためだけではない?」

眉をひそめる女性。

一瞬、2人は見つめ合った。

「そなたのためでもあるのだ、姫。」

きゅっと口元を結んだ。

「ハール王子!それならば、なおのこと!
 わたくしはあなたを止めねばなりません!」

姫は騎士の称号を得ている。
この称号を得るまでの修行は、
並大抵の男なら音を上げるほどのものだった。

「おやおや。また姫のわがままかい?」

からかうように微笑む王子に、詰め寄るように姫が言う。

「ですが!
 ですが王子!!
 前の戦であなたはわたくしを庇って顔に傷を!」

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「顔の傷など、男の勲章だと王は申されたぞ。
 わたしは愛するものを守ったのだ。」

「・・・愛するもの・・・」

姫の顔が一瞬ほころぶが、すぐにキリッと表情を引き締め

「クッ・・・。わたくしが至らないばかりに・・・!!
 もっと強くあれば・・・!」

と、目を伏せ唇を噛みしめる。

「あー。またそうやって自分だけ頑張ろうとする。
 そなたの悪い癖だぞ?
 姫を守るのは王子 と昔から決まっておるのだ。」

と、姫の様子を横目で見る。いたずらっぽい表情だ。

姫は目を伏せたまま

「わたくしは幼い頃より、王子とともに鍛錬を積んで参りました。
 すべては・・・すべてはあなた様のため。
 この国の第一王子を守ることが、わたくしの役目と心得ております。」


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この頑固な姫の決意を覆すのは骨が折れそうだ。

(やれやれ・・・予想通りの反応だな)

と、王子は少し考え

「ならば、どうだ?共に参ろうか。」

「!」

姫は驚いて目を見開き、美しいエメラルド色の瞳を王子に向けた。

「よいのですか!?」

「このまま置いていけば、後でずっと愚痴を言うのであろう?」

「そ、そのようなことは・・・!」

頬を紅潮させ、うつむく姫。

「ないと?
 そなたを置いてでかけた狩場で怪我をした時は
 怪我よりもそなたをなだめるのが大変だったのだが?」

「あ・・・あの頃はわたくしとて若かったのです。」

きまりわるそうに小声で言う。

「そうか、成長したか?
 安堵した。ならば留守を頼むとしよう。」

わざと冷淡に言い放ち、馬の手綱を取ろうとする王子。

姫ははっと顔を上げ、

「いいえ!!」

ほぼ叫びに似た声で言い、

「もう王子がうんざりするほど愚痴を言います!」

ぷっと頬を膨らます。

(これが成長した者の表情か?幼い頃と一緒ではないか。
 練兵所で多くの男達をなぎ倒しているツワモノが。
 実にかわいらしいことだ。)

くすくすと楽しそうに王子は笑い、

「では、連れていくしか無いな。
 遅れるではないぞ?」


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「ご心配なく。
 王子より馬の扱いは長けておりますゆえ。」

ぷいっと横を向く。

「そうであったな。」

ハッ!と掛け声をかけ、馬を蹴る王子。
鍛えられた駿馬は、勢いよく駆け出した。

「あっ!
 隙を突くとは卑怯です!」

「熟練者を相手にする時は、
 少し知恵を使わねばな!?」

笑いながら駆けていく。

「王子!!
 子供の頃からいつもその手で!」

姫も追いかけ、いつのまにか笑い出す。

笑い声は2つの影とともに
夕陽の中を遠ざかっていき、
やがてひとつのシルエットとなった。

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おわり。


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今日の記事で使わせてもらった画像は
https://www.photo-ac.com/
https://sst-ictlt2012.blogspot.com/
他からお借りしました。
ありがとうございます!

ハールさんの頬の傷から妄想が広がって
お話を書かずにはいられなかった!
ハール王子 (;´Д`)ハァハァ

書きたかった妄想シーンだけなので、
前後のストーリーとか無責任に放置。

最初はもっと王子は暗い過去を持ってるふうな
ダークかつ血なまぐさい妄想をしてたんだけど、
書き始めたらロマコメ路線になったよ。

でも、これでよかったかも。
ふたりかわいいし、読んでて明るい気分になるし。
書くのも楽しかったな~。

あまり長くならないように、いろいろ表現を省略してるけど
読み手にお話が伝わるだろうか心配。

シーンに合った画像を拾いに行くほうが
数倍時間がかかった。
でもイケメン画像だらけで、
それも楽しかった!

自己満足のお話だけど、
読んでくれてありがとう!!

【絵本】ぺこらときゃりー(2)
のつづき。


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めでたしめでたし。


このお話を最初から見たい方はこちら!
【絵本】ぺこらときゃりー(1)


おつきあいありがと。
お子様がいらっしゃる方は一緒にご覧くださいねw

【絵本】ぺこらときゃりー(1)
のつづき。


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★ぺこら 心の声

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意外な展開。



つづきはこちら!
【絵本】ぺこらときゃりー(3)


次でラスト。

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★ぺこら 心の声
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ぺこら、なんか悪い顔してる。


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きゃりー、ぺこら悪い顔してたよ?

信じて大丈夫かな?

つづきはこちら!
【絵本】ぺこらときゃりー(2)
【絵本】ぺこらときゃりー(3)



もう書いてても幼稚だなと思うけど、もうちょっとつきあってw

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